私自身の心と感情-6

父の想い

私が中学の時は、父はとても元気でした。

父の状態は好調そのものでした。

仕事をたくさんし、

たくさん食べたくさんお酒も飲み、

大きな声で笑っていました。

確実に以前よりも調子がよさそうでした。

良すぎるくらいでした。

しかし、それは長くは続きません。

調子が良かったのは初めのころだけで、

同じことが何度か繰り返されました。

いつも同じ病院。

家に戻ってきてからも、寝ていることがあり、

仕事はどうしているのか、

中学生の私にもわかりませんでした。

「何か重い病気を持っていたのだろうか」

と思う時もありました。



母からはまだ病名は聞かされていませんでした。

ものすごい勢いで仕事をしたり、

車を買ったり、

お客さんとお酒を飲んだ時に、

大判振る舞いをしたり、

これらのことに母は

困っている様子もありませんでした。



調子のいい日は、父は朝から一人で

ジョギングをしていたこともありましたが、

父に誘われたが、「俺はいいよ」

とだけ言って断わっていました。

一緒に走るのが

嫌なわけではなかったのですが、

何故かその言葉が出たのです。

父は一人で走りにでかけていきました。

私は陸上部に入り、

毎日のように走っていたけれど、

どうしても父とのジョギングだけは

想像できませんでした。



中学に入ってからは、

父は私の進路のことをよく口にしていました。

「お前は俺のあとを継ぐんだからな」が

父親の口癖になっていました。

兄ではなく、私なのです。

私はもともと物を作るのが好きであり、

そのつもりでしたが、跡を継ぐ、

つまり会社の社長になることなどは

考えていませんでした。

兄は知っていたのか、違う道へ進んで行きました。



後で聞いた話ですが、

父にとって私は特別な存在だったそうです。

名前にも父親の名前の一字が使われており、

中学校の課題の図面を見ては

「すごいじゃないか。

 これは建築に向いている証拠だな」と、

とても喜んでくれました。

兄は絵をかくのが好きで、

建築に近いものがありましたが、

父親が兄に建築を勧めている様子を

見たことがありません。

ここでも、兄の姿はありませんでした。



中学二年になった時、家に帰ると、

父は玄関のところで倒れていました。

意識はなく、近くにはウイスキーの

ボトルが転がっていました。

かなりの量を飲んだようでした。

父は救急車で運ばれていきました。

母も救急車に乗りそのまま病院へ。



残された自分がその時に何をしたのかは、

全く記憶に残っていません。

お酒が好きだといっても、

こんな飲み方をなぜしていたのか。

唯一記憶に残っているのが、

また、そこに兄の姿がないということです。



病院へのお見舞い、家で寝ているとき、

自分の見ている風景の中に兄がいません。

普段はいるのだけれど、

特別なことが起こった時にはいつもいないのです。

不思議なくらいそうであった。

しかし、それもすぐに忘れていきました。



父はどうしてしまったのだろうか。

どうしてあんなにもお酒を飲んだのだろうか。

不思議なことがたくさん

私の頭を占領していました。



また、入院ということになり、

母は一人で戻ってきましたが、

父の説明は一切しませんでした。

私も尋ねることはしませんでした。

訪ねてはいけない気がしていたのです。

いったいどうなっているのだろうか。

ものすごい元気、そして、

いなくなってしまう。



中学に入ると放課後に誰かと

遊ぶということがなくなりました。

自分を含めみんな部活で忙しい。



中学の時のことで、

鮮明に覚えていることがあります。

母は一度も学校に来たことはなかったこと。

学校の保護者会など、

学校からの手紙を渡すのですが、

一切来ようとはしませんでした。

一度だけ来たことがあり、

それは三者面談の時だけです。

それも行きたくなさそうだったことを

覚えています。



私は十五歳になり、

高校受験が意識に上ってきていた時。

母には志望校を話したが、

父には一切話をしていませんでした。

父にはあまり興味のあることではなかったようです。

遊びに行くこともなく、

毎日勉強を頑張り、

結果、志望校のに入ることができました。





[PR]
by nocotoco | 2018-11-08 04:35 | 私自身のこと | Comments(0)


不登校、ひきこもり、子どもの声を引き出します。


by Sere.C.R

プロフィールを見る

外部リンク

カテゴリ

全体
不登校・ひきこもり
セルフ・カウンセリング
親子コミュニケーション
発達障がい
私自身のこと
未分類

以前の記事

2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月

お気に入りブログ

村上建築設計室です。

最新のコメント

検索

最新の記事

不登校の原因
at 2018-11-22 05:11
子ども達の対人関係の希薄化
at 2018-11-21 19:06
不登校・ひきこもり  日常生..
at 2018-11-20 07:01

記事ランキング

ブログジャンル

メンタル
教育・学校