2018年 11月 07日 ( 1 )

私自身の心と感情-5

それから何事もなく

父のいない日常が過ぎていきました。

しばらくして父は家に戻り、

再び仕事を始めていました。

思いっきり仕事をして、

思いっきりゴルフなどをして、

思いっきり飲んで、

毎日が楽しそうな父、

そして、突然いなくなる父。



私の心の中に、二人の父がいました。

その境目がどうしてもわかりません。

何が両者の間に線を引いているのか、

その線は何なのか。

小学生の私には全く分からないことでした。

ただ、元気にしている父を

見ることは好きだったと思います。



十歳の時に再び、父はいなくなりました。

また、入院していました。

もうそれについては、

母に聞くことはありませんでした。

父がいなくなるたびに、

不思議な感情が生まれてきました。

しかし、何とも言えない、

言葉にならない感情です。

父がいなくなる、

それが当たり前のようになっていました。



近所の人から

「お父さん最近みかけないねぇ。どうしたの?」

と聞かれるのですが、

それが嫌でしようがなかったことを覚えています。

どう答えていいのかもわからず、

ただ「どこか遠いところに仕事で行ってるんだ」

とだけ答えていました。

近所の人はそれで満足したかのように「そうなんだ」と

一言言って去っていきました。



父がいない家は、大きな笑い声もなくなり、

近所の人が言うように

確かに父がいないことが分かります。

私たち家族は静かな日常を送っていました。

父がいなくなることに慣れてきたせいか、

父がいなくても

特に何も思わなくなっていました。

しかし、外側から見ると、

父がいる、いないで何かが違って見えるのだろう。

ただ、笑い声だけではなく、

見かけないだけではなく、

何かが違うのだろう。



私は、学校では明るく、

友人にも恵まれ楽しく遊び、

とても充実していました。

生活が二重にあるような感じを

もって過ごしていました。

主な時間は学校での生活で、

家での生活は、

そのつなぎのような

時間であったことを覚えています。

母は働いていたので、

家には誰もいません。いわゆる鍵っ子です。

友人と毎日のように遊んでいた。

帰ってくるとランドセルを置くとすぐに出かけ、

野球をしたり、

自宅の前の川で釣りをしたりと、

夕方暗くなるまで遊んでいました。

家で遊ぶときは必ず私の家だった。



一番仲のいい友人は、玄関からでなく、

必ず塀を乗り越えてうちにやってきます。

家の中は私とその友達しかいなかった。

母親は仕事にでかけ家には誰もいません。

友人が家に遊びに来ると、

父親が使っていたゴルフのパターで遊んで、

当時有名なゴルフ選手の真似をして、

二人で大笑いをしていた記憶があります。

ボードゲームをしているときも二人でふざけあい、

やはり大声で笑っていました。

とても居心地のいい時間でした。



ただ、心のどこかに

「父はいない」という思いがありました。

家族が集まると、

一人いないことがはっきり見えてくる。

それが少し嫌だった。

いないことが当たり前になってきてはいるけれど、

空いた椅子は何か気になってしまう。

食事を終え、お風呂に入り、

そして寝る。当たり前のこと。

順番が違う、場所が違う、

それが妙に気になっていました。

慣れていたのではなく、

慣れようとしていたかもしれません。



まだ小学生の小さな子供でも無理をして、

平気な顔をして寂しさを

こらえていたのかもしれません。





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by nocotoco | 2018-11-07 07:09 | 私自身のこと | Comments(0)


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